庵治町は四国の本土最北端に位置し、源氏と平家合戦の場になった。古戦場壇ノ浦を西に四国85番札所五剣山を南に、三方を瀬戸内海に囲まれた、地中海を思わせるような、温暖な気候と海の幸に恵まれた小さな半島の町。地場産業は、漁業に加え銘石庵治石で知られている。庵治御影石の原産地で、古くから石材加工業の栄えた町でもあります。
香川県の良質は花崗岩が産出することで全国的に有名です。
特に牟礼町と庵治町の境付近の山は茨城県の真壁町、愛知県の岡崎市と並び日本における代表的な花崗岩の産地として古くから有名であり、産出される岩出は「庵治石」の名で知られています。庵治石は花崗岩の一種で、石英と長石を主成分とした少量の黒雲母と角閃石を含む硬い岩石です。この鉱物の混合比率によって庵治石は地質学的に「黒雲母細粒花崗閃緑石」に分類されます。構成鉱物の一つ一つの結晶が極めて小さく、結合が緻密なため他地域の花崗岩に比較してもより硬いのが特徴です。
モースの硬度表で説明すると、水晶と同じ七度という硬度のため細かな加工が可能であり、水を含みにくいため風化・変質にも強く二百年は彫られた字が崩れたり、赤茶色に変色したり、艶がなくなったりしないといわれています。また石材という観点から花崗岩には細目(こまめ)、中細目(ちゅうこまめ)、中目(ちゅうめ)と分類されますが、庵治石は細目と中目に分類されます。細目は黒雲母が細やかに大量に入り青黒く、微妙なまだら模様に見えます。最大の特徴は「斑(ふ)」又は「ぼたん」と呼ばれる現象で、よく研磨した石表面に黒雲母が特に緻密に入り、まだらな地模様に濃淡が出ることで、世界中の石材でも類がないことにあります。
中目には黒雲母の数が少ないので、細目に比較して白く見えますが硬度は同じです。庵治石は、世界に類のない質の良さと希少価値から、石材の単価としては世界一と評価されます。